激動の四半期

(十字路) 日本経済新聞  2016/03/31(木) 今日で今年最初の四半期が終わる。 サウジアラビアとイランの断交で明けた新年。イランは欧米との核協議を進め国際社会復帰に向け動き始めた。対してサウジは新国王体制下でイエメン空爆による歳出増大と油価の下落で財政が悪化、補助金の削減や税導入を余儀なくされている。隣国シリアではイスラム過激派組織や諸外国の利害がもつれて戦国時代そのものだ。  中…

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量と金利、悩ましいジレンマ

 日本経済新聞  2016/03/31(木)  日銀が金融機関から資産を買って金融市場に資金を供給する資産買い入れオペで異変が起きている。今週実施したコマーシャルペーパー(CP)買い入れオペで、日銀は市場の取引実勢よりも極端に低い金利(高い価格)で応札した分の購入を拒んだ。これまでは市場実勢よりも低い金利でも買ってきただけに、市場に波紋が広がっている。  「どんなに低い金利でも日銀が買うとい…

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JR東海と現地企業 新幹線方式、米で新規則申請へ  超高速鉄道実現へ前進

 日本経済新聞  2016/03/30(水) 【ダラス(米国)=市原朋大】テキサス州のダラス―ヒューストン間に新幹線の導入を計画している米企業と東海旅客鉄道(JR東海)は、日本の「東海道新幹線」に準じる形で米国で高速鉄道の運行を認める新規則の制定を米連邦鉄道局(FRA)に申請する。軽量化した車両で専用の軌道を走る日本の「新幹線方式」が認められれば、2021年の開業を目指す米国初の超高速鉄道計画…

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AIで変わる大学教育 学生の読解力こそ重要

国立情報学研究所教授 新井紀子氏 日本経済新聞 2016/03/30(水)  人工知能(AI)の発達に伴い、仕事のあり方や求められる能力は今後変わっていく可能性が高い。文部科学省は大学入試を思考力重視に転換するといった改革を検討している。東大合格を目指すAI「東ロボくん」のプロジェクトを率いる国立情報学研究所の新井紀子教授は、大学教育の前提として中学校段階での読解力引き上げこそが必要だと主張す…

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米中首脳会談前に火種 西沙に地対艦ミサイルか 中国当局、配備を明言せず

 日本経済新聞  2016/03/31(木) 【北京=山田周平】国際軍事情報企業IHSジェーンズは30日までに、中国が南シナ海の西沙(英語名パラセル)諸島に地対艦ミサイルを配備したとの分析結果を公表した。中国のミニブログに掲載された画像をもとに判断した。米中は31日に米ワシントンで始まる核安全保障サミットに合わせ首脳会談を開く予定だが、配備が事実なら新たな火種になりかねない。  IHSジェー…

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中国、その債務の大きさ

 日本経済新聞  2016/03/30(水)  バブルをもたらすのは債務の異常な増加である。これが限界を迎えるのは、収益見通しが悪化し、貸し手が投融資の拡大に不安を覚えてくるからだ。債務の増加が止まり、投資が落ちてくると、経済は急減速し、債務の過剰と不良化が表面化してくる。  リーマン・ショック直後の2009年から15年第3四半期にかけて、国際決済銀行(BIS)の推計によると、中国の非金融企…

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始動 スー・チー氏のミャンマー(上) 軍の利権、経済改革に壁 政商との癒着強固

 日本経済新聞  2016/03/31(木) 【ネピドー=松井基一】国軍主導の政治が続いてきたミャンマーで30日、半世紀ぶりの文民政権が発足し、2011年に始まった民主化は新しい時代に入った。ただ「軍産複合体」による経済支配、独立以来の懸案である少数民族問題など負の遺産は積み残されたまま。「反軍事政権」の一点突破で国民の信任を得てきたアウン・サン・スー・チー氏の初めての政権運営は、難題が山積し…

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人民元安 綱渡りの中国(上)為替介入、市場は疑心 外貨準備、迫る限界

 日本経済新聞  2016/03/31(木)  中国の人民元に先安観測がくすぶっている。中国当局が急激な元安を食い止めるため為替介入を繰り返した結果、外貨準備高は2月末時点で3兆2023億ドル(約363兆円)と1年余りで約6千億ドル減少した。介入を続ければ外貨準備の水準が早晩限界に迫るとの見方もあり、市場の疑念は払拭されていない。資本規制の強化が必要との声も出ている。  荷物を抱えた人々でご…

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中国石油大手が失速 昨年3社で6割減益 油田採算悪化で調達急増 相場の波乱要因に

 日本経済新聞  2016/03/31(木)  【香港=阿部哲也】中国の石油産業が苦境に陥っている。中国石油天然気(ペトロチャイナ)、中国石油化工(シノペック)、中国海洋石油(CNOOC)の上場石油大手3社の2015年12月期決算は、純利益の合計が前の期比6割減った。原油安と景気減速に伴う需要減が響いた。業績悪化を受け、人件費の削減や投資の抑制に動いており、巨大企業の失速は中国経済だけでなく、…

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合繊原料の利幅縮小 中国過剰生産 影響色濃く 事業見直し、採算改善急ぐ

 日本経済新聞  2016/03/31(木)  合成繊維原料の利幅縮小が続いている。中国発の供給過剰を背景に、日本の化学各社の利幅は採算ラインを大幅に下回る水準に沈む。各社は海外生産や事業自体の見直しに着手し始めた。  「あらゆる選択肢を検討する」。三菱ケミカルホールディングス(HD)の越智仁社長は2015年12月の中期経営計画の発表で、ポリエステル繊維の原料となる高純度テレフタル酸(PTA…

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黒田日銀の緩和策3年(4)遠のく物価2% 原油安・増税が誤算

 日本経済新聞  2016/03/31(木) 日銀が2013年4月に量的・質的緩和政策を始めたとき、次のように宣言した。「消費者物価上昇率2%を、2年程度の期間を念頭に置きできるだけ早期に実現する」。だが2%目標は今も達成されていない。  政策の1年目は順調に物価に上げ圧力が加わった。緩和開始前にマイナス0.5%だった消費者物価上昇率(生鮮食品の価格動向と消費増税の直接的な影響を除く)は、1…

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黒田日銀の緩和策3年(3)実体経済刺激は限定的 成長戦略が不可欠

(時事解析) 日本経済新聞  2016/03/30(水)  量的・質的緩和の開始以降、市場環境は好転したが、実体経済への刺激効果は限定的だった。初年度の2013年度に株高による消費刺激などが寄与して実質国内総生産(GDP)伸び率は2.0%となったものの、消費増税があった14年度には失速しマイナス1.0%となった。15年度見通し(ESPフォーキャスト調査)も0.67%だ。  市場環境好転の経済…

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黒田日銀の緩和策3年(2) 一時、円安・株高に 年明け以降は反転

(時事解析) 日本経済新聞 2016/03/29(火)  黒田日銀が重視する実質金利低下は実現したのか。まず長期金利(新発10年物国債利回り)は、量的・質的緩和導入決定前の0.5%程度が今はマイナス0.1%程度だ。エコノミスト向けESPフォーキャスト調査で2015年12月時点の7~11年先の予想物価上昇率は3年前の1%から1.4%(消費増税の影響を除く)に拡大した。  この数字をみる限り3年…

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黒田日銀の緩和策3年(1)実質金利低下を重視 市場や経済を刺激

 日本経済新聞  2016/03/28(月)  黒田東彦総裁率いる日銀が2013年4月4日に量的・質的緩和政策の導入を決めてからまもなく3年になる。14年10月31日には追加緩和に踏み切り、16年1月29日にはマイナス金利付き量的・質的緩和政策への衣替えも決めた。  黒田日銀のもとでの緩和政策の効果波及メカニズムは、「実質金利を押し下げることを起点とする」(15年4月公表の日銀レビュー「『量…

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第5章 成長に果たす役割(10) 負の側面どう減らすか

東京大学教授 大橋弘 日本経済新聞 2016/03/29(火)  日本経済の成長には「制約」を乗り越えるイノベーションが必要です。本稿では情報処理の高度化と通信網の進化という基幹技術のイノベーションが、社会変革の起爆剤になることを見てきました。  個が活躍する場が広がるなかで、分散する個の情報が集約され、さらに社会知として個に還元される時代になりました。こうした分散と集約のバランスから、イノ…

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第5章 成長に果たす役割(9)  医療機器産業を伸ばす

(やさしい経済学 イにべ―ションを考える)東京大学教授 大橋弘 日本経済新聞 2016/03/30(水)  わが国の平均寿命は、戦後と比べて1.5倍以上延び、現在では世界最高となっています。今後、超高齢化を迎えるわが国では、健康に長生きができる社会を築くためのイノベーションが求められます。  医療分野でのイノベーションは、財政上の制約を念頭に置く必要があります。社会保障関連費は2016年度予…

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第5章 成長に果たす役割(8) 新薬値付け、工夫が必要

(やさしい経済学 イノベーションを考える)東京大学教授 大橋弘 日本経済新聞 2016/03/29(火)  昨年5月にC型肝炎の治療薬「ソバルディ」が日本で発売されました。C型肝炎ウイルスに感染すると、半数以上の人が慢性肝炎に移行し、肝がんになるリスクが高まります。これまで肝炎ウイルスの除去は不可能とされてきましたが、ソバルディは9割以上の確率で治癒することが臨床試験(治験)で証明された画期的…

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第5章 成長に果たす役割(7) 決済をより身近にする

東京大学教授 大橋弘 日本経済新聞 2016/03/28(月) 最近、「フィンテック」という言葉をよく耳にします。「金融(finance)」と「技術(technology)」を組み合わせた造語です。コンピューターの高度化と通信技術の発達は、金融サービスのあり方を変えつつあります。  ネット経由で不特定多数から出資を募る「クラウドファンディング」や、通信販売の代金と携帯電話料金を一緒に支払う「…

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人工知能ブームの背景は 電力自由化の課題探る

(経済論壇から)慶応義塾大学教授 土居丈朗 日本経済新聞 2016/03/27(日) マイナス金利導入から1カ月。その解釈や評価が、今月の論壇を賑(にぎ)わした。国債金利がマイナスになる中、これを生かして国債を増発して財政出動してはどうかとの意見が、政界から出始めている。□  □  同志社大学教授の鹿野嘉昭氏(3月8日付経済教室)は、企業の資金調達コストを引き下げる利点を認めつつも、金利がマ…

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第5章 成長に果たす役割(6) 「パリ協定」が電力後押し

(やさしい経済学 イノベーションを考える)東京大学教授 大橋弘 日本経済新聞 2016/03/25(金)  昨年末に、国連の会議で2020年以降の温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」が採択されました。今世紀後半に世界全体で温暖化ガスの排出量をゼロにすると定めています。パリ協定を踏まえ、わが国は「地球温暖化対策計画案」をまとめ、省エネルギーと再生可能エネルギーで野心的な目標を設定しました。  …

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